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果実酒用日本酒で仕込む、やさしい甘みの「ビワ酒」 旬のビワを漬けて、和の果実酒を楽しもう

皆さんこんにちは。富士正酒造の澤田です。今回は、5月〜6月にかけて旬を迎える「ビワ」を使った果実酒の魅力をご紹介します。ビワはやさしい甘みと控えめな香りが特徴で、日本酒に漬けることで繊細で上品な果実酒に仕上がります。

ビワの自然な甘さを生かしつつ、日本酒のまろやかさと合わさることで、他にはないやさしい一杯が完成します。このコラムでは、ビワの選び方から美味しい漬け方、飲み頃、アレンジの提案まで、わかりやすくご紹介します。ぜひ季節の味わいを、日本酒用果実酒というかたちで楽しんでみてくださいね。

ビワの旬と特徴

ビワは、初夏の果物として親しまれており、5月から6月にかけてが旬です。皮が薄く果肉がやわらかいため、加工にやや手間はかかりますが、そのぶん果実酒にすると、やさしく品のある味わいが楽しめます。

ビワは生食のイメージが強いですが、アルコールと合わせるとまるで和菓子のような落ち着いた甘みが広がります。

ビワ酒におすすめのお酒とは?

果実酒づくりには、アルコール度数20%以上のお酒を使うことが酒税法で定められています。富士正酒造の「果実酒用日本酒」は、日本酒ならではのやさしい旨味を持ちながら、20%以上の度数をキープしているので、家庭用果実酒にも安心してお使いいただけます。

ホワイトリカーとは違い、日本酒のまろやかさとビワの甘みがふんわり調和し、素材の風味をやさしく引き立てる仕上がりになります。

ビワ酒の基本レシピと作り方

【材料:果実酒用日本酒1,800mlに対して】
・ビワ(可食部):1,500g(皮・種を除いた実の量)
・氷砂糖:750g(甘さ控えめにしたい場合は630g)
・レモン:3個(皮とワタを除いて輪切りに)
・果実酒用日本酒:1,800ml
この分量は、果実と糖分をしっかり使うことで、濃厚で贅沢な味わいに仕上がる配合です。果実感を存分に楽しみたい方、熟成させて深い味わいを楽しみたい方に特におすすめです。

※ビワの種は必ず取り除きましょう。種にはアミグダリンという成分(青酸配糖体)が含まれます。必ず果肉のみを使って仕込みましょう。

【作り方:7ステップ】
1.ビワをよく洗い、皮をむいて種を取り除く。傷のない新鮮なものを選び、果肉がつぶれないようやさしく拭きあげる。
2.風通しのよい場所で自然乾燥させるとより安心。水分が残ると腐敗の原因になる。
3.レモンは皮とワタを取り除いて輪切りにする。酸味を加えることで全体のバランスが整い、ビワの甘みが引き立つ。
4.保存瓶は熱湯またはアルコールでしっかり消毒し、完全に乾燥させる。
5.ビワ、氷砂糖、レモンを交互に瓶に重ねるように入れていく。層にすることで味と香りが均等に移りやすく、見た目も美しい。
6.果実酒用日本酒1,800mlを静かに注ぎ、果物がしっかり浸かるようにする。密閉して冷暗所または冷蔵庫に保存。
7.漬け込みは1ヶ月から2ヶ月。1か月を目安に取り出すと雑味が出にくく、すっきりとした仕上がりになる。香りと味をしっかり引き出したい場合は2ヶ月がおすすめ。

ビワ酒の基本レシピと作り方

美味しく仕上げるコツと注意点

美味しくビワのお酒を仕上げるコツは、何と言っても傷のない新鮮なビワを使うことです。傷みやすく、漬け込み後の味に大きく影響するため選別は丁寧行ってください。

また、瓶の中で果物が酒から露出していると腐敗の原因になります。常に果物が液体に沈んだ状態を保つようにチェックしてください。もし露出してしまっている場合には、瓶を振って瓶内の糖分を均一にすれば沈んでいくと思います。瓶内の糖分濃度が濃くなると漬けてある果実は浮いてきてしまいます。そのため、瓶を振って偏った糖分濃度を均一にするか、それでもダメな場合にはお酒を足して糖分濃度を下げてあげると沈んでいきます。

漬けている期間中は、密閉していれば1週間に1回程度見てあげると良いでしょう。気になる方は2日~3日に1回チェックしてみてください。

飲み方と楽しみ方

【ロックで飲む】
グラスに氷を入れてロックでゆったりと味わってください。甘みと旨味が口の中にやさしく広がります。ビワ本来の味わいを楽しむならこの飲み方!氷を多めにしていただくと甘さを少し抑えてドライに飲むことができます。逆に氷を少なめにしていただくと、甘味たっぷりのやさしい味わいを楽しんでいただけます。

飲み方と楽しみ方

【炭酸割りにして飲む】
3(炭酸水):1(ビワのお酒)の割合で割って飲んでいただくと、華やかなビワの香りを楽しんでいただくことができます。今回のレシピで作っていただくとアルコール度数は15%くらいになります。ロックでは少し強くて…という方には炭酸水で割って飲んでいただくことをおすすめします。また、炭酸水で割っていただくことで爽やかな味わいとなり、食前酒としてもおすすめです。

【炭酸割りにして飲む】

【おつまみと一緒に嗜む】
ビワのお酒と一緒にドライフルーツはいかがでしょう。ドライフルーツの濃縮した甘味とビワのお酒の香り高い風味とのかけ合わせは素晴らしいマリアージュになります。また、ドライフルーツの中でもオレンジピールなどの苦みを少し感じるようなドライフルーツを合わせると、ビワのお酒の大人な一面を見ていただくことができます。

【おつまみと一緒に嗜む】

まとめ

ビワ酒は、初夏のひとときを閉じ込めたようなやさしい果実酒です。富士正酒造の果実酒用日本酒を使えば、日本酒らしいふくよかな香りと穏やかな口当たりが、ビワの甘みとやさしく溶け合い、上品で贅沢な一杯に仕上がります。

通常、果実酒を作る場合には、ホワイトリカー(甲類焼酎)を用いることが多いです。ホワイトリカーは、度数が高いのでアルコールを溶媒に浸透圧の原理で果実の味を引きだします。一方、富士正酒造の果実用日本酒は度数が低く、日本酒の素材は米のため、酒事体に糖分を含み馴染んでいます。そのため、果実用日本酒に漬けていただくことで、果物のもつ糖分と日本酒がもつ糖分とが結びつくことで深い味わいの果実酒ができあがります。

旬の果物を手に入れたら、ぜひお試しください。あなただけの果実酒時間を、お楽しみいただければ幸いです。

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